LGBTPZNの支持者の多様性

ちゃんとした文章を書くのは疲れるので箇条書き。画像はサーバルちゃんフォント

  • ポーランドのLGBTPZNはLGBTを中傷するための造語であったらしい。ポーランド語は読めないので詳しい経緯は不明。
  • 日本のLGBTPZNは、Go_8yo氏が2016年4月ごろに突如として思いついた。このとき、ポーランドにおけるLGBTPANの用法は日本では知られていなかった。
  • 2016年9月26日にLGBTPZNが大流行した。このとき、ポーランドにおけるLGBTPZNの用法について指摘があった。また、PZNは「解放運動」を表す頭文字であり、LGBTPZNは単にLGBT解放運動を意味するという指摘もあった。
  • この時期のLGBTPZN支持者は迂遠な言語表現を用いる傾向にあり、LGBTPZNが実際にどのように受容されていたか知ることは難しい。いま思えば、LGBTPZNのうちPに限って言えば、子供の性の自己決定権を侵害しない限りP当事者の権利を満足できないことへの絶望感が、LGBTPZNという語の使用に込められていたように思う。しかし、当時そのことを明言していた者はいないので、あくまでも推測である。
  • 2016年9月27日にLGBTPZN.org (現在のLGBTPZNポータル) がオープンした。LGBTPZNポータルはLGBTPZN支持者のなかでも特に楽観主義ないし理想主義の立場をとっている。「LGBTPZNはアクロニムではなく、多様な性を象徴するシンボルであると考えられています」や「8番目のアルファベットは、あなたです」といった、包摂と寛容を重視したスローガンを用いている。LGBTPZNポータル運営者の楽観主義は、例えば2016年11月10日のツイートに現れている。
  • nexaは、バニラとLGBTの分断、あるいはLGBTとPZNの分断を、「ヘゲモニー」や「二等市民」といった強烈な表現で非難している。そして、LGBTを称揚しPZNを否定する者が、同じ原理でバニラとLGBTを分断していることを明らかにした。
  • 自然法被害者の会は、LGBTPZNの「錯乱」あるいは「異常」という側面を肯定的に評価している。
  • 2016年11月23日ごろインターネットバトルが発生したが、特に目立った変化がないまま収束した。
  • 2017年4月11日ごろLGBTPZNが再び流行した。

まとめ

  • LGBTPZNは統一した組織を持たず、個人がばらばらにインターネットに発信しているうえ、迂遠な言語表現を好む傾向があり、運動の当事者であってもよく分かっていないことが多い。

素早くドメインを取得し、ウェブサイトを構築する

LGBTPZN Advent Calendar 2016 参加記事。

2016年9月26日の柚子革命の当日、私は lgbtpzn.org ドメインを購入した。翌日にはLGBTPZN.orgのウェブサイトが一通り完成した。ウェブサイトのトップページの内容は、そのときから現在までほとんど変わらない。

私はこのときすでに fubaiundo.org ドメインを購入していたので、素早く行動することができた。どちらのドメインも No-IP から購入した。このくらい長い名前の org ドメインは30ドル/年くらいで購入できる。クレジットカードを持っていれば手続きはすぐだ。

注意点として、ドメイン名を購入するときに、氏名、住所、電話番号などの個人情報の入力を求められることだ。これらの情報は whois データベースで公開される。詳しくは whois でググってくれ。いずれにせよ、No-IPではドメイン名をプライベートモードで取得することができる。すると、whoisに登録される個人情報はNo-IPのものになる。これで、匿名で奇妙なウェブサイトを運営しても安心だ。

ドメイン名を購入したら、次はウェブサイトを作ろう。GitHub Pages で作るのが簡単だ。GitHub Pagesでウェブサイトを作る方法は適当にググってもらうとして、ここでは独自ドメイン名を使う方法だけ説明する。まず、所有しているドメイン名を、GutHubのしかるべき設定項目に書く。GitHubの設定画面にはIPアドレスが書いてあるので、No-IPの設定画面のそれっぽい場所にIPアドレスを書く。これで終わりだ。具体的な方法を何一つ説明していないが、ここで細かいことを書いてもどうせすぐに変わってしまうので、概念的なことだけ説明すればよいだろう。

一度やり方を覚えれば、ツイッターで何かが流行するたびに、適当なドメイン名を購入して、その日のうちにウェブサイトを開設することができる。ツイッターでは社会運動を30分で始めることができる、ただし30時間で忘れ去られる。一連の動作をいかに素早く完遂するかが、ツイッターのスピードについていくための鍵だ。

フリップフラッパーズ イロドリ先輩メインSS

LGBTPZN Advent Calendar 2016 参加記事。

(放送期間中に書いたため、公式の展開と矛盾するところがあります。放送終了後に書き直したバージョンもあります。)

美術準備室には先輩がいた。マニキュアのにおいは、もう気にならなくなった。

「先輩、どうして絵、捨てちゃったんですか?」

「ここは狭いし、それに、いまは新しい絵をたくさん描きたいんだ。」

テーブルには、このまえ見たのとはちがう、花柄のティーカップがみっつ。カップを手に取るのは、先輩と、私と、ブーちゃん。

先輩が絵を捨てたのも、きっと、三人でこの部屋にいても狭くないようにするため。

ココナとミミがピュアイリュージョンの入口を閉じて、ヤヤカたちもピュアイリュージョンには行けなくなった。でも、先輩となら、もう一度、ピュアイリュージョンに行ける気がする。先輩の変身アイテムはマニキュアのびん。

二人で手をつないで考える。イロちゃんのこと、おばちゃんのこと、ミミのこと、ココナのこと。

先輩も、きっと、ココナのことを思ってる。

待ってて、ココナ!

柚子森さん単行本発売

LGBTPZN Advent Calendar 2016 参加記事。

柚子森さん単行本発売おめでとうございます! 私は発売日入手失敗しました!! Amazon先生が発売日に発送してくれなかった!

柚子森さん単行本発売を記念して、2016年9月26日に始まるLGBTPZN運動の拡大を「柚子革命」と称することを提案します。これは、LGBTPZN支持者に人気の高い「柚子森さん」と、2010年にチュニジアで発生した「ジャスミン革命」にちなんだものです。

今月26日の革命3ヶ月記念日を前に、柚子革命をますます前進させましょう!

ウェブアプリケーションはどのように馴れ合いに陥り、どのように衰退するか

LGBTPZN Advent Calendar 2016 参加記事。

話題がLGBTPZNからどんどん外れていくが、前稿までに あつまれ運営批判 の話を書いたので、その続き。

あつまれ運営批判は、ゴルスタの運営批判騒動に対応する行動の一環として、運営批判を匿名で公開できる場を目指していたが、実際には大学当局の運営を批判する大学生が集まってきた。ここで分かったことは、コメントが途切れると、あつまれ運営批判の「運営」によるコメントを望む声が上がることである。例えば、以下のコメント。

  1. 夜間運営がいないのつまらんのだが。
  2. 示唆に富んだ名文が出てきたのはいいが、運営はどこだ。なんかコメントはよ。

あつまれ運営批判は9月3日に閉鎖された。それと入れ替えで、不買運動ウェブ が9月4日より本格的に稼動した。

あつまれ運営批判に続いて、不買運動ウェブもまた、「過疎化」に悩まされたウェブアプリケーションである。そもそも、不買運動を起こされるような悪徳企業はそう多くはないし、不買運動を登録したら、不買運動ウェブでは他にやることがなくなってしまう。ユーザーたちは馴れ合いに陥り、「ジャバ社」「日本国」「人類」「無」などの奇妙な不買運動を登録するようになった。

不買運動ウェブを再び活性化するには、結局のところ、運営が自分で不買運動を立てるしかなさそうだ。2016年11月29日、人脈ピラミッドが話題になったタイミングで 日本マイクロソフト株式会社不買運動 を登録したところ、ツイッターでそこそこ拡散され、11件のお気持ちが表明された。

そもそも、あつまれ運営批判や不買運動ウェブの機能は、2ちゃんねるにアンチスレを立てることでも達成できるはずである。それでも、そのような意見や行動が見られないのは、ウェブサイトの文化、あるいは運営者のキャラクターが重視されているからであろう。ウェブサイトの運営は、プログラムを書いて自動運転に任せるだけではだめで、運営者が適度なタイミングで介入する必要がある。不買運動ウェブの運営者は「匿名の個人」ではあるが、ツイッターでの女性器に擬態している植物 (vaginaplant) としての発言も含めて、その行動とキャラクターを示していく必要がある。

LGBTPZNは、提唱者であるGo (Go_8yo) が積極的に関与しなくても、じわじわと言葉が広まっていく段階に到達している。LGBTPZN.org は静的なウェブサイトであり、更新はほとんどしていないのだが、検索エンジンなどで到達する人がいるらしく、たまに言及されることがある。Togetterのまとめ も、最後の更新は2016年10月15日であるが、砂鉄事件をきっかけにアクセスが伸び、本稿執筆時点 (12月12日) には14,000ビューを超えている。

とはいえ、砂鉄 (satetu4401) のような強力な支持者に言及される機会は稀であり、LGBTPZNは現在の地位に安住することはできない。ツイッターでも、静的なウェブサイトでも、地道に言及を積み重ねていく必要がある。

運動にとって「思想」はいかに無力か

LGBTPZN Advent Calendar 2016 参加記事。

前稿では、運営批判騒動と運営批判ウェブについて説明した。LGBTPZNから話題が離れてきているが、運動を継続するために資するところがあると思い、本稿でも引き続き運営批判騒動について検討する。

本稿では、運営批判騒動にさまざまな立場から加わった人々について検討する。具体的には、ゴルスタチャレンジ、デマ画像メーカー、偽みこちゃんを取り上げる。

ゴルスタチャレンジの初出はおそらく2016年8月12日である。この時点では、みこちゃん(micoochan) のツイッターアカウントからブロックされることを目的とする遊びだったようだ。運営批判騒動以降は、中学生または高校生でないにもかかわらずゴルスタにユーザー登録して、アカウントを削除されることを競う遊びとしても知られるようになった。

デマ画像メーカーは、正しくは ゴルスタ文章メーカー! という。文章を入力すると、ゴルスタのアカウント停止通知を模した画像を生成するウェブアプリケーションである。記事執筆時点 (12月9日) でまだ稼動しているのがおもしろい。作者はも (2ab7)。前述の通り、ゴルスタチャレンジには、ツイッターでブロックされることを目的とする遊びと、ゴルスタのアカウントを停止させられることを目的とする遊びが混在していた。デマ画像メーカーは、後者の目的を、実際にアカウントを作成することなく手軽に実現できる (あたかもそのように見える画像をツイッターに流すことができる) という効果がある。

運営批判騒動によって、ツイッターで「ゴルスタチャレンジ」の結果を報告する人が急増した。デマ画像メーカーの出現はこれに拍車をかけた。最も良く知られたデマは「カセットテープを知っているとの発言をされていますが、中高生がカセットテープを知っているはずはありません。年齢詐称と見做し削除します。」(8月26日) というものである。

ゴルスタにとどめを刺したのは個人情報暴露恫喝である。ゴルスタの運営者は、あるゴルスタのユーザーが運営に批判的なツイートを行ったことに対して、実名と住所 (それぞれ一部) を出して恫喝した。しかも、これはツイッターで公然と行われたため、またたく間に批判者たちによって拡散された。

間もなく、ゴルスタのアプリはアプリストア (アップル、グーグルとも) から削除され、ツイッターアカウントも停止した。そこで現れたのが偽みこちゃんである。みこちゃん (micoochan) は、ゴルスタの運営者のツイッターアカウントで、運営批判騒動と個人情報暴露恫喝の当事者だった。偽みこちゃんはmicoooochanという紛らわしいアカウント名を取得し、アイコンとヘッダー画像は本物と同じものを使用していた。そして、かつてのみこちゃんを模倣した攻撃的な口調でゴルスタを擁護した。多くのツイッターユーザーが偽みこちゃんへの怒りをあらわにすると、公式ウェブサイトの苦情受付窓口に苦情を言うよう誘導した。偽みこちゃんは、このことを目的とした偽旗作戦であった可能性がある。

運営批判騒動に関わった者のうち、あつまれ運営批判 は思想的な裏付けを持って行動していたことを自ら主張している。例えば、女性器に擬態している植物 (vaginaplant) の以下のツイート。(RTといいねは12月9日調べ。)

運営批判一件、民主主義を信奉する老人が、全体主義に順応した児童を棒で叩く展開になっている。前者にとっては最初で最後のチャンスなので、このまま巨大な運動につなげていきたい。(8月26日、0 RT、3いいね)

また、運営批判騒動の初期に示された、以下の見解も参照すべきだろう。これは、ぼえぼえ (Unused_Johnny) によるものである。

インターネットでまで大人に反省のポーズを強要されて素直に従ってんじゃねーよ。そのままじゃお前らは一生悪い年上のエゴの奴隷だぞ。(8月25日、207 RT、818いいね)

残念ながら、児童を管理教育から解放するという目的は、達せられたとは言いがたい。ゴルスタは閉鎖されたものの、株式会社スプリックス が運営する他のサービス (たとえば森塾) は、無傷で存続している。

運営批判騒動においては、思想的な裏付けを持って行動した者の影響力はわずかであった。むしろ、ゴルスタチャレンジとデマ画像メーカーという、暴徒化した民衆の方が、ゴルスタを閉鎖に追い込んだ功績は大きかったかもしれない。

最後に、9月10日に書かれた 東洋経済オンラインの記事 を紹介する。この分析はきわめて詳細であり、一連の経緯をほとんどすべて知ることができる。プロのライターが優れた歴史書を書いたことで、運営批判騒動は、9月10日には「歴史」になってしまったとも言える。

ツイッターの「運動」はどのように開始され、どのように忘れ去られるか

LGBTPZN Advent Calendar 2016 参加記事。

「ゴルスタ」は中学生と高校生を対象としたSNSであった。その機能は、一般的なSNSにあるようなグループチャットのほか、動画ライブ配信、オンライン授業などであった。オンライン授業は「先生がイケメン!」というキャッチコピーが付けられ、タレント・モデルなどの「イケメン」が起用されていることが特徴的だ。動画ライブ配信では、スクールカースト上位者が取り巻きとワイワイやっている様子が伺えた。(動画そのものは部外者は見ることができないが、動画配信者のツイッターアカウントから雰囲気は伝わる。) 写真投稿機能でも「どっちがイケメン? どっちがカワイイ?」というキャッチコピーが付けられており、強烈なルッキズムが伺える。

ゴルスタの運営手法は特徴的であった。第1に、規約に違反したユーザーには、アカウント復活と引き換えに反省文の提出を課した。第2に、ツイッターなどでゴルスタを批判すると、アカウントを凍結したうえ、アカウント復活と引き換えに、ゴルスタを賛美するツイートを公表することを課した。

第1の特徴も部外者からは揶揄されたが、特に批判が大きかったのが、上記の第2の特徴である。このことから、一連の騒動を「運営批判騒動」と呼ぶことを提唱する。

運営批判騒動は2016年8月25日に開始された。少数のツイッターユーザーは、24日の時点で異常に気がついていた。以下はぼえぼえ (Unused_Johnny) のツイートである。RTといいねの数は12月9日調べ。

・ゴルスタという中高生限定のSNSがある
・運営を批判するとアカウントをBANされる
・アカBANされた人は「運営批判を許さない!」と言って運営に協力的な姿勢を見せて、反省のポーズを見せればアカウントを復帰できる

って感じなのか。(8月24日、2157 RT、818いいね)

続いて8月25日、ぼえぼえは以下の見解をツイートした。

インターネットでまで大人に反省のポーズを強要されて素直に従ってんじゃねーよ。そのままじゃお前らは一生悪い年上のエゴの奴隷だぞ。(8月25日、207 RT、818いいね)

8月25日の昼ごろには、私のタイムラインはゴルスタの話題でもちきりになった。私は夜9時ごろになってPCを使用できるようになり、さっそくウェブサイトの開設に取り掛かった。

私はWordPress.comでブログを持っていた (hakabahitoyo.wordpress.com) ので、新しいブログを作るのは簡単だった。WordPress.comは1個のアカウントで複数のブログを作成できるからである。さっそく あつまれ運営批判 を開設した。

WordPressはブログだけでなく静的なウェブサイトとしても使用できる。固定ページを1個だけ置き、コメントを除いてすべての機能を不可視にすれば、コメントを投稿するウェブサイトになる。ここまでの作業時間は30分未満である。

さらに、プロモツイートを打つことにした。ツイッターでは個人でも簡単に広告を打つことができる。指定した金額の範囲内で広告を打つので、破産する心配はない。プロモツイートは画像が必須なのは面倒だが、てきとうなフリー素材を探して対応した。プロモツイートの内容は以下。

運営批判の書き込みで垢バンされた! という経験はありませんか? 「あつまれ運営批判」なら、運営者に知られずに運営批判を投稿できます。

プロモツイートは午後11時30分に開始された。ウェブサイトの開設から広告配信までを8月25日のうちに終えることができた。反応は上々で、プロモツイートを打つ前から多くのフォロワーがRTしてくれたし、プロモツイートを見てRTしたユーザーも多かった。プロモツイートの出費は5000円であった。

あつまれ運営批判には数人の大学生が集まり、なぜか大学当局に対する批判を残していった。運営批判騒動は管理教育に対する異議申し立てという側面があるので、あながち無関係な話題ともいえない。

私は、あつまれ運営批判を9月3日に閉鎖した。現在は、コメントを読むことはできるが、書き込むことはできない。管理教育に反発する大学生が意見表明する場を提供することは、それなりに有意義ではあったが、本来であれば、本物のゴルスタのユーザーに、運営批判を書き込んでほしかった。

この経験から言えることをいくつか言うならば、第1に、プロモツイートは金の力に頼るだけでなく、有意義なことをタイミングよく言えば、手動でも拡散に協力してもらえるということ。第2に、ツイッターでは社会運動を30分で始めることができる、ただし30時間で忘れ去られるということである。