女性写真家と声かけ写真展

「女性写真家」が声かけ写真を自然に撮れてしまうので男性写真家がオワコンになっていると、「アサヒカメラ」の佐々木広人編集長がハフポストのインタビューで発言した。

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声かけ写真展 Advent Calendar 2018参加記事。

「アサヒカメラ」9月号が「この女性写真家がすごい」と題した特集を組んだことを受けて、佐々木広人編集長がハフポストのインタビューを受けた。このインタビューで編集長は、女性写真家が子どもに声をかけてコミュニケーションが取れてしまうので、男性たちは脇に追いやられているというようなことを言っている。当該部分を引用してみよう。

肖像権の話で、困ったといっているのはみんな男です。あんまり言いたくないけども、女性の方からそういう質問は来たことがないです。多分コミュニケーションができているんですね。

子どもに向き合って、街で見かけたかわいい子とかに、きちっときれいに声を掛けて。僕も現場に立ち会ったことありますけど、やっぱり緊張を和らげるんですよ。

僕なんか、こういう体つき、顔つきのせいか分からないけど、たぶん同じことはできない。だけど本当に、見事に緊張を和らげて、すっと入っていけるんですよ。だからスナップを撮る女性は面白いなと僕も感じていました。

振り返って、声かけ写真展はどうだろうか? 声かけ写真展に反対する人たちの最大の動機が、中年男性に対する嫌悪感であることを考えると、「女性写真家」たちがそれを自然に乗り越えていくことは、皮肉な現象である。

ところで、声かけ写真展は二重の意味で、現代の私たちにとっては意義を喪失した存在である。第1に、子供と成人男性が接触することに対する嫌悪感がますます強くなり、そのような行動がほとんど不可能になっていること。第2に、成人男性のカメラを経由するまでもなく、子供たちが自らインターネットに姿を晒していることである。

声かけ写真展の意義のひとつに、子供たちのありのままの姿を無作為に写し取ることがある。しかし、現代の子供たちは、生まれたときからインターネットとスマートフォンが身近にあり、子守唄がわりにYouTubeを見て育ってきた。だから、カメラを向けられると、ヒカキンこうくんねみちゃんがしているように、表情を作り、身振り手振りをそえて語り始める。

子供たちのなかには、自ら動画を撮影し、YouTubeにアップロードしている者も少なくない。そのため「女児ユーチューバー」とも称される文化が生まれた。鳩羽つぐはその精巧なフェイクであり、バーチャルユーチューバーとして人気を博している。

声かけ写真展は、現代の子供たちを相手には成立しないスキームである。そのため、ノスタルジーという言葉を使いながら、30年前のものとされる写真を展示するという手法を取っている。現代の価値観を振りかざして一方的に指弾するだけでは、見落としてしまうものがあまりにも多すぎる。

投稿者: Hakaba Hitoyo

墓場一夜

“女性写真家と声かけ写真展” への 1 件のフィードバック

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