飲食店の感動ポルノ化に悪辣な皮肉

インターネットでは感動ポルノと私刑の結び付きが容易である。

接客従事者の苦労自慢が監視社会の実現に結び付いた古典的な例として、リカオンの顔認識システムが挙げられる。リンク先で挙げられている「迷惑行為」には、迷惑ではあっても犯罪とまでは言えないものや、通常の利用客との線引きが難しいものが多く含まれている。また、実際に迷惑行為がなかったとしても、店員の判断により「迷惑客」の登録が可能である。このことから、客観的には迷惑行為とは言えなくても、たまたま従業員とトラブルになった利用者が「迷惑客」として登録される事態は十分に予想できる。

特に、飲食店の苦労自慢はインターネットで感動ポルノとして消費されがちである。そのため、ドタキャン防止システムと称する私刑プラットフォームの出現は、自然な発想であった。

漫画村を含む特定3サイトのサイトブロッキングが閣議決定された問題についても、私はかつて「著作権窃盗者との戦いを感動ポルノとして盛り上げていったら、インターネットの検閲が待ち構えていた」と評したことがある。

ところで、架空の飲食店の架空のドタキャンがインターネットで演出されるという事件が発生した。飲食店の苦労自慢が感動ポルノとして消費されがちな近年のインターネットに対する、悪辣な皮肉である。事実は啓蒙よりも暴力として作用する、とはいえ、フェイクニュースによってワールドワイドウェブを汚染することは、あまり褒められたものではない。毒をもって毒を制するとでも言うべきか。

架空の一般社団法人という戦術には親近感がある。5ちゃんねるの「国際信州学院大学」に対して、一般社団法人LGBTPZN協会設立準備会も、「山形福祉大学」という大学名を架空の役員の所属先として記載していた。

この記事は義憤というよりは熱狂的な死の舞踏に属するものなので、特に真面目な提言などはありません。これで終わりです。

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投稿者: Hakaba Hitoyo

墓場一夜

“飲食店の感動ポルノ化に悪辣な皮肉” への 1 件のフィードバック

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